行き摩り

虚構日記

2017/04/12 晴れ

遮光カーテンが黒くて、それを開けたらレースのカーテンは白い。白いので、朝起きるといつも曇りかなと思ってしまうし、1度晴れなのを確認してもやはり曇りのように見えてしまうので、今日はニットを着て、それで、暑かった。

 

夢。同じところで仕事をしていた。やっぱり悪くない。あと失くしたかもと思っていた彼女のヘアバンドの色違いを発見して「あ、良かった、あった」と思った。ねえよ。目が覚めて探したけどなかった。ねえよ。

 

書類関係のことを申請しに行くためだけに大学へ向かう。交通費片道1,500円を使って移動。大学4年にもなるとほとんど大学に行かなくて良くなるので定期を買うのは辞めた。そのかわりに目に見えてどんどん現金が減っていく様を見送っている。何かドブ川に財布投げ捨てているような気分だな。申請に関する情報を母親と共有。人と喋るという生産的な行動をすることでどことなく今日の自分を保っている気がする。表情を気にする時間が少なければ少ないほど文明を多く利用している。情報源がアナログに近づく程に表現が必要になる。

 

別に体温が必要だとは思わないんだけど、生まれた順番が早い程、温度が必要だと思う人の割合が多いんじゃないか? と思う。履歴書とか電話とか。手紙とか。やりとりの場面において。そういう人たちが人間を終えていくにつれてどんなふうになっていくんだろう。いよいよ体温を感じることなく全てが可能になるのではないか。良いとも悪いとも言えないし言いたくない。でも多分これは面白い。

 

自分が現在を生きているという感覚がある。事が悲しい。嫌だ。一生に追われている。生きるために生きているというような感じ。明確な何かの為に生きても良いと思えない感じ。自分の命を抱えて走って、凄い速さで死んでいく。ゆっくりで良いという言語を理解するための器官だけ先に壊死した感じがする。生きるためには早くしなくちゃ死ぬぞという恐ろしい感覚。人生に向いてないと思う。まるで子供の様な気分の重さ。

 

襟足の刈り上げが伸びてきた気がするのでそろそろ切りたい。何か1つでも満たされていないと目立ってしまって満足いかないんだと思う。だからいつまでも追う事を辞められないんだと思う。みんな大変だな。生きている限り何か欲しがる。最後の瞬間まで多分、生きたがるか、死にたがるか、そのどちらかだと思う。

2017/04/11 雨

男か女かわからなくなっていた。正確に言うと自分は自分がどちらかを認識しているが、他人からはわからないと言った感じだった。

 

目があまりにも乾燥しているし眠い、それから寒い。日付を確認すると4/11なので寒いのは私だけなのかもしれない。仕事だ仕事だと自分を叩き起して支度。

 

やけに体重が重くなったような気分に陥る。気圧だ。今日から明日に向けて異常に気圧が下がるらしく、全ての不調は気圧の所為だから、強い心で生きろ、というメッセージを見た。頬が引き攣ったり目を細めていたり肘が痛かったり色々したのだが全て気圧のせいで問題ないと思う。みんなも明日までは気圧の所為で全て片付けられるから、誰か消したい人とかいたら画策してみると良いよ。

 

こんなに寒いならネックウォーマーを持ってきたら良かった! と思うくらい寒かった。そのくらいしか考えることがない。再来月から新しく仕事仲間が増えることが確定したので(これは大変喜ばしいことだ)、私はその分も学ばなければならないと思って今日は張り切ってしまったし、iPhoneはちっとも触らなかった。昼はネギトロ丼ときつねうどんを食べた。付け合せ? のオレンジと漬物は食べる気分ではなかったので人にあげてしまった。

 

何か面白いことを言ったような気がする。なぜなら複数名に大笑いされた記憶があるから。車の中で軽く昼寝をしたような気もする。でも夢を覚えていないので却下。今日は何も身にならなかった、ただ無為に9時間を過ごした。折り畳み傘は何度も折りたたまれたからびしょ濡れだし鞄にしまえないのでなんだか突然悲しくなってくる。多分低気圧の所為だ。明日までしかこの手は使えないので積極的に使用していこうと思う。

 

帰ってきてからかなり不調が表面に出てきた。あんまり爽やかではないので全部気候の所為にして寝る。時効になったら起こしてほしい。おやすみ。

2017/04/10 晴れ のち 曇り

何でもないことを言って、昔から憧れている人物と距離を縮めようとしていた(こいつは忘れた頃にいつも顔を出す)。私ともう一人いる。水色、ピンク、白、3色の、3つのイヤホンと、1つの大きなプレイヤー。何とかして手に入れなくては。フォロワーが減ってる?

 

仕事仲間。軽いノリだ。私は着替えをした。飲みたくない飲み物(完全に世間で言う水素水の立ち位置)の、名前が気になって飲む、が、吐き気がしたのでアイスティようなものを飲み直す。やってきた車に上司。着替えをしてから自分の場所に戻るために走る。級友を2名見つけて、手を振る。もう1人、そこまで仲の良くなかった友人に相談を受けながら、代わりに道案内をしてもらいながら、進む。ゲームのような世界が広がっている。横スクロールゲームを体感する目線のような。向日葵のパネルがしょぼくれている。話しかけると咲いて、色々な言語、タッチで描かれたパネルに忙しなく切り替わる。

 

家の中に誰かいる。彼女と目を合わせたのだが、乱暴な口をきけば殺されるような気がして、なんてことはなさそうに外出のタイミングを待つ。いってらっしゃーいと扉から出ていくのを見送ると、今度は玄関の前にきついビジュアル、目に痛い色の4人組の女性達がいて、入ってこようとしている。回線の勧誘をしてくるが拒否。何とかして扉を閉める。大学に連絡を入れるように彼女へ。何故か彼女も大学生だった。しかし扉をこじ開けてでも入ろうとするので武器を探して、力尽くで開けられた途端に戦い始める。切っても死なない。どうする? どうする。

 

────胸糞が悪い! 酷い夢だった。3本も見て良くも覚えていたものだ。疲れた。何だかどっと。朝はゆっくりだ。大学4年の朝。何か音がないと何も捗らない気がする。孤独のグルメを再生しながら支度。腹は減ったが朝飯を食う気分ではなかった。代わりに動画を見ているという感じ。

 

鞠の様な花が咲いている。桜だ。群れの中に1つだけ、逃げ出して来たように葉が咲いている。週末に散るという話を聞いていたので、嬉しいような複雑なような気持ちがする。来週まで咲いていたらもう一度花見をしたいな。1人で思っている。年配のカメラマンを何人も見かけた。

 

研究室での活動は終わり。電車に乗ると新しく高校生になったと思しき学生たちが大勢居る。ぱりっとしたブレザー、毛玉のないカーデガン、埃を吸っていないリュックサック、傷の少ないローファー、いいなあ、真新しい。きっと今、楽しい。そうやって歴史を作っていけば良い。体重のかけ方を覚えていくんだ。大切なことだ。私は学生最後の年で、仕事をしながら、研究をする。もう、探すものは特に何もない。

2017/04/09 曇り のち 雨

結果から言うと徹夜した。完全にずっとパソコンの前で絵を描きながら、キノを見ながら、動画を見ながら、甘いものを食べながら、何か喋りながら、いつの間にか6時くらいになっていた。夢は見なかった。

 

徹夜はエネルギーを使う。どこから作り出しているんだろう。何も無い腹の中の所為で頭と骨の中身までどんどん透過していく気がする。大盛りカップ焼きそばの1.5倍の量を朝昼飯で食う。原稿締切日はおよそ一週間後に設け直した。

 

足の爪の端を剥がしてしまった。手指の爪で触って、摘んで引き抜いてしまう。眠い時と足が冷たい時によくやってしまう。爪が凸凹していると引っ掛かるので、引っ掛かるので、だ。許してほしい。血がにじんでいる。歩く度に痛む。ざまあみろ。思い出して泣けばいい。昔から何度も後悔してきたことがある。肉体は痛むし、化膿するということだ。繰り返す必要の無い行動ばかり、覚えているし何度も繰り返している。

 

昼寝と称して30分布団に。目を開けたら4時間経過していた。体を起こすともう夜だ。こんな日も良い。一日が特別長く思えた徹夜なのに、終えてみると休みの日が1/2になってしまった心地さえする。夢は戦争だった。楽しみながら武器を持って、痛くないことをして、刃物と火器を携えていた。♪♪♪♪、♪♪。トゥイー・ボックスのせいだ。

 

今日の夢は戦争を回避したい。ここのところ人を殺しすぎている。

2017/04/08 曇り 時々 霧雨

劣化に引っ掛かってものを壊したり(修復が困難)、湯沸かしを犬に邪魔されたり、楽しむこともろくにできず、叱られっぱなしだった。夢で怒られると胸に来る。

 

昨日の予報では雨だったはずなのに、朝、窓の外はとても静かで、彼女が予報を見るに今日は曇りの様子だった。夜から雨のよう。寒くなるのかもしれない。予想最高気温21度。

 

2人で買い物に出るとどうしてたくさん買ってしまうんだ? 逆に2人でいる時くらいしか満足してものを買っていない気がする、食べ物にしても雑貨にしても。いつも自宅と彼女の存在を念頭に置いて生きているせいかもしれない。良い事だろう。甘え過ぎている気もするし何も耐えられていない気持ちもあるんだけども。何かあればと思っていたモチーフペンダントは買えず。あとは概ね購入した。それで、無性に寿司が食いたくなったので昼は回転寿司で腹を満たし、PRONTOにてパスタを夕食にする。きっとストレス発散だねえなどと言いながら電車に乗り込む。珍しい、ショートカットの女性を見つけた。染めたて切りたての綺麗なマッシュショート。金とアッシュの混ざったような、私は全く名前の知らない、厚みのないざらついた舌触りのしそうな三角形の色に染められている。レザーのジャケット。強かに生きている。

 

やばい締切忘れてた。締切設定をミスしている気がする。問題すぎるのでパソコンでサイトを探す。こういうことがこれからも頻発するんだろうな。尻に火のつかない人間。恐ろしいことに刃物を突きつけられるもっとその前から命の終りのことは考える癖に、自分をもっと身近に脅かす存在に関しては脳内がばがばだ。今日は原稿を描こう。描いたら寝よう。

2017/04/07 曇り のち 快晴

仕事だ。社長は社長なんだけど業務内容も仕事場もいつもと少し違う。高校の様な。やりたくない。だって全く見たこともない仕事なんてできないじゃないか、と、言い訳をしながらこなしていた。勿論言い訳をするので良い顔はされない。客と喋って住所を聞き出す。ここから5、6マイルのところだという。マイルってお前、突然。車でのあまりにも大雑把な道順説明をされた。ただし車はないので電車で向かおう、ああ、嫌だ、嫌だ、嫌だ……、

 

夢だった。なあんだ夢じゃないか。海で首を絞め合う夢じゃないのかよ。起きて彼女を見送る。彼女も仕事が嫌だという。無理もない。本当に自分を目一杯可愛がって欲しいし、決して無理してほしくない。寧ろ家にいてほしい。そうもいかないので見送る。雨上がりの湿気の匂い。吐き気がする密度。背筋が丸まる。気圧かもしれない。

 

なんだか。新学期なので気持ちが嫌な感じがする。清々しい新しさは随分前に失ってしまった。突然に暑くなる。彼女はまた泣いていた。誰も思い通りにいかない。快晴だ。雲の量1割未満。野球少年。サッカー少年。ブランコとキックボード。女子。それから女性。ザリガニ釣ったりする子達はこの田舎には居てくれるのだろうか。始まり探し迷ったら夜。R.I.P.。犬の鳴き声。鳥の羽音はなぜあんなに恐ろしいんだろう。ひたすらに暑い。日はまだ少し高さがある。

 

私の我儘によって雨の降る前に花見を決行することになった。控えめな風が薄着に着替えた袖口から侵入してくる。焼き鳥と酒と摘みを携えて、ちょうど一年前、まだここに住んでいなかった頃、と、同じ場所に行く。拳程の蛾が音のなりそうなほどの羽を動かしてすごい早さで飛んでいく。恐ろしくて鳥肌が立つ。虫は苦手だ。そういえば無視も。手を繋いでやり過ごす。

 

カメラを構えてフレームを覗く。色と情報量のバランスを考えているこの時間が一番好きだ。何か気に入るものを探して歩いていると自然と足元に体が落ちていく。何を探していても結局、桜を見に来たのに、白くて小さな、鈴蘭のような花を見つけて、背中を丸めてレンズを向けるようなことをしている。酒を飲んだ方が良いものが撮れるのかもしれない。生きていることや死んでいることがそこにいなくても伝わってくるのが写真の好きなところで、そういう写真を撮りたいので、足元を撮影しているような気がする。草木に限らず。提灯の光でどうにも赤い写真になる。生命の色だ。満足して帰る。光ではなく真っ赤な、真っ赤に生える葉っぱを見る。家はもうすぐそこだった。余りにもグロテスクで少し胸に染みた。来年も何事も無く桜を撮りに行けたら良いな。全く同じ絵を撮って居られたら良い。その日まで変わらずに。

2017/04/06 晴れ のち 曇り のち 雨

手すりが固いもので何度も叩かれる音で目が覚める。過去にも何度もあるので予想はついているが心地の良いものではない。急に悔しくなる。

 

夢。少数派の人間の側に居た気がする。しかし圧倒的に力があったし、皆思慮深かった。机を組み立てる。椅子の好みを聞く。「何でも言ってね。何でも叶えるから」。そんなこと出来るものかと目が覚めて思った。

 

風が強くて洗濯物が大変なことになっている。風が強い事に関しては、心が紛れることくらいしかメリットがないし、家の中にいる分には、音に怯えるくらいでしかないので、大概は辛い。家の中に引き籠ってデュアルモニタに絵を映しながら頭を捻る。見る人はこの1枚にこれだけの時間がかかっているなんて考えないだろう。そう思うと不毛だし遣る瀬無いかもしれない。知ったことではないので私は時間を切り取って宛てがいながら思い切不毛を描く。もしかしたらこれ間違っているかもしれないなと思いながら。文字を作るのも絵を作るのも大して気持ちでは変わらない。苦しいだけだ。楽しむことを思い出したり、忘れたり忙しない。

 

なんだかすごく無力な気がしている。栄養になるようなものを得る必要があるんだろう。何が必要なのか。花見がしたい。なんでもいい。でも晴天でないと嫌だし、多分今日は雨だった気がするんだけどさっきまで晴れていた空は曇っていて、でも雨のマークはスマホに載っていない。私はなんだか雨の匂いがすると思った。でも多分これは違う匂いなんだろう。気持ちの。雨は降ってきた。圧倒的な強風のせいでとっくに洗濯物を取り込んでおいてよかった。今日はもうこれ以上心の安寧は望めない。引き籠りを続ける。

 

生きているだけで何か報われることはあるのか。見たいものを見て知りたいことを知ってそれだけで光合成のようになったら良いのに。ゴミ箱をひっくり返しても中からゴミが出てこない。ビニール袋に穴が空いているので買い物をしても何も得られない。そういうことの繰り返しで何も無い何かが積まれていって多分結局死ぬ。冷蔵庫みたいになれたらよかった。何も腐らずにとっておけるような。でも定期的に供給がないと満足に保管もできないのか。それは人形みたいだな。

 

神経が痺れている。何も生み出せない。考えることをやめたいのに止められないし、死んでいく。ゆっくりと死んでいく。頭の中で生み出される言葉の量には最終値のようなものが設定されているのかもしれないし、その場合私はすぐに死ぬ部類の人間に違いないと思う。勿体無いので虚構でも何でも良いので書いておこう。都合の良いツールのある時代に生まれてよかった。何でもない文字は川か海かのように流してもらえる時代で。海がいいな。今日は海で首を絞め合う感じの夢を見たいです。さよなら。