小噺

虚構を少々

2017/03/27 雪 のち 曇り のち 晴れ

底冷えと乾燥を感じて目が覚めた。春休み。妹と会う約束があるので起きる。彼女を見送って呑気に支度をした。定刻にはつかず待ち合わせに少し遅れる。身内なので気が抜けていたやも。

 

今日は鞄を。それから私が入学の時に欲しかった色々を買い与えたかった。金をやるのは簡単に出来る。それが何に消えるかをそばで見ることは出来ない。ものにして手に持たせたかった。ホームシックだった。

 

スターバックスに入ったのは始めてらしかった。物珍しそうにココアの上に乗った甘くない生クリームを食べていた。可愛い。彼氏が出来たらどんな面をしてやろう。私に会わせてくれるのだろうか。どうだろう。期間限定のものは頼まなかった。甘くて胃にたまるものを飲みたがった。

 

話は弾んだ。ブックオフが好きらしい。漫画を何冊か買っていた。一冊しかわからなかった。6年の差は大きい。ゲーセンにも行った。ゲームはまだ私の方がうまい。やきもきしながら妹のワンコインを見送った。どうにも可愛らしい。手元で面倒を見たかった。惜しいことをした。そうは言うが、後悔はない。

 

帰り際には母と電話をした。母親は私と彼女のことを何と思うだろう。まだ打ち明けられずにいる。暫くはきっとこのままだ。私はこのまま家を出るだろう。それは構わないらしい。彼女に伝えそびれていることを相談する。まだ彼女だということは教えていない。知らないでいてほしい。知ってほしいような。そんな雰囲気を掠めている。

 

帰宅するとすぐに彼女も帰ってきた。彼女はいつも泣いている。飯を食う前だったり、風呂の後、私が髪を乾かしてやった後だったり、いつも泣いている。気がする、ここの所、涙を見ない日がない。ずっと前にひとつ言ってしまった失言を、私は気にしていた。言葉にしてみる。案外下らないような。彼女は聞いてくれたし、また、鼻根に水溜りを作った。瞳に、星を飼っているの。それを、今は、私が育てていた。

 

母親は「素敵な出会いだね」と言ってくれた。