行き摩り

虚構日記

2017/08/02 曇り

心の隙間が狭くなって、パーソナルスペースは広くなった。気になることは増えたけど、自分の全てが間違っている訳では無いことを言い聞かせられるようになった。力が付いて、でも持久力は落ちて、内蔵は弱くなった。生きているというのに、生活をするだけで苦しい。とても苦しいか、少しだけ苦しいか、今まで生きてきた生活には、その違いしか無い。

 

 新しいネットワークサービスに触れたがる気持ちが大きい。この間は、オファーのくるサイトに名前を書いた。長い文章を書くことは好きだった。

 

あなたがあなたを形成する決定的経験。人生の中で一番華やかだったのはいつだろう。彩があったときは。丁度エントリーシートを書くように埋めていく。僕の人生の彩はいつなんだろう。記憶を辿っても、リンクする色がぶちまけたように広がるだけで、それは鮮やかな彩とは言えない。感情や映像の記憶は誤魔化されていて、暗雲が広がっている。少しだけ目を細めてみることができるようになった分、自分にも、他人にも、彩を感じることは少なくなった。

 

感情だけがふと蘇る時がある。その感情と、フラッシュのようにたった一瞬だけ見えた色があって、大体はあとを辿ることができない。もどかしさを感じることもなくなってきた。気持ちの良い感情のはずなのにそれを思い返すことも懐かしむことも出来ない。そんな事が増えている。どんどん味の薄い時間が増えていく。

 

忘れたいと思ったことを忘れることが出来る。忘れたくないこともどんどん抜け落ちていく。弊害なのかもしれない。情報の数は寧ろ減ったはずなのに、追われることだって少ないはずなのに、どうして忘れるのか。約束も決め事も心に誓って覚えていたいのに、何かに書き記さないとそれも出来ない。人間としての機能を失っている。

 

仕事の絵を描いた。報酬はない。

 

必要とされることは人間にとってとても重要なのかもしれない。何が自分を必要としているのかを、正しく見つけることは難しい。心にK100、100%のレイヤーが何枚も重なっている。見たくないものは筒抜けて見えるのに、本当に欲しいものはいつも汚れている。手に入るまでに自分で泥だらけにする。往々にして、みんな同じことをしている。

 

たまらなく日本人だ。不条理の中でしか生きていることを感じられないのだ。損をしている。明日は朝ごはんを食べる。何かを摂取しないと、肉体は消えるんだ。