行き摩り

虚構日記

2017/07/29 曇りのち雨

とんでもなかった。目覚まし時計の止め方がわからなくてベルの真ん中を指で押さえつける。肘で体を起こして頭を振る。なんとなく気持ち悪い気がしてスマホを見る。7時。

 

なんだか何もうまくいかない。何もかもよくない。気持ちの良いこととかけ離れている。ガトリングガンのように雪崩れる不快感がいろんなものを殺していく。決して、僕が生きることに意味や価値やそういうのを見出したいわけじゃない。なにもない。何も無いのが嫌なので周りに何かを作るしかない。湿気が倦怠を誘う。髪を固めて家を出る。今日の1日をなんとかする。なんとかする。その繰り返し。

 

一歩進むと何かにつまづいている。すっきり歩いていると思ったら掬われる時もある。自動ドアだ。存在以外は意に介さない。時々虚無の僕は、たべものも買えず、結局、生から遠ざかる。煙草の煙が吐き気を誘って、身体の中に入れたゼリー飲料が滅茶苦茶になる。出鼻を挫かれる。きっと今日もつまづく。必ず何かがある。

 

 雨が降った。結局自分で誰かに仕事を強いないように走り回っただけの1日だった。不毛だ。仕事はうまくいかない。仕事は何も生まない。暑くて汗を拭う。汗をかくのが珍しいので正しい向き合い方がわからない。

 

飯を食った。

 

何かを生み出さないと生きていけないからだだ。人に善や良心を求めるのは正しくない。彼は口酸っぱく「やめておけ」と言う。そうだなあ。僕はきっとどうにかなる。どうにもできない。

 

大学のことは何も進まない。教授は連れない。僕は何やら軽んじられやすい。人とのコミュニケーションを同じ方向からしかできない人、攻撃的にしかなれない人とは、上手くやれない。研究なんて名前をつけなければ良いのに。

 

味のわからないという、本当に何も喋れないという、その感覚はやりづらかったけれども、それは伝えることに対する本質で、僕の共感覚の一部に近い。